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コロナ禍における国際結婚

 海外在住の外国籍の方と結婚を考えているような場合、現在のコロナ禍では互いに出入国して会うことができない状況が長引き、大変な苦労をされていることと思います。

 すでに「配偶者となっている」(結婚している)場合には、「特段の事情」として考慮されて、外国人側が日本に入国する道が開けていますが、結婚がまだ済んでいない場合は原則的に入国ができない状況かと思います。(個々の事情により異なる場合も存在するかと思われますが)

 ●参照(1月13日現在) http://www.moj.go.jp/isa/content/930006078.pdf

 

 ですので、遠距離国際カップルが結婚を控えていて、外国人側を日本へ呼び寄せたい場合に考えるべき可能性は、「外国人側が日本に来ないままでも日本での婚姻届提出が可能か」ということです。

 婚姻届が受理されるかどうかは、各自治体の対応にも差があるようですので、提出予定の役所に問い合わせる必要があります。基本的には、外国人側の「婚姻要件具備証明書」が求められますが、例えば韓国の場合だと「基本証明書」「婚姻関係証明書」「家族関係証明書」が必要などという例もあります。国によって「婚姻要件具備証明」(独身証明)の仕方も異なる部分がありますので、提出予定先の役所とともに各国の大使館・領事館に確認することも必要です。また、国によっては、当事者本人でなければ領事館からの情報提供はしないという場合もありますので注意が必要です。

 

 役所で必要とする書類が整い、無事に婚姻届が受理されれば、離れ離れのままでも婚姻が成立しますので、その時点でお相手は「日本人の配偶者」ということになります。日本人の配偶者については、上記のように入国制限の中にあっても「特段の事情」を考慮されます。在留資格認定証明書による査証申請や短期滞在の査証申請も可能かと思われます。

 手続が早いであろう短期滞在ビザを取得して日本へ入国することができれば、短期滞在から日本人の配偶者等への在留資格変更申請を行うことが可能になります。申請を行うためには、基本的に両国の婚姻証明が必要となります(日本の場合は戸籍謄本など)ので、在日領事館等で相手国の証明書も取得しなければなりません。この婚姻証明書に関しても、国によって取り扱いが異なります。日本で結婚した場合は証明しないという国もあれば、独自にきちんと発行してくれる国もあります。

 

 その他の申請に必要なさまざまな書類を集めて、二人の結婚が真正なものであり今後夫婦として日本で暮らしていくということをしっかりと証明することで、日本人の配偶者等の在留資格が許可されることになります。

 ただでさえ手続きが大変な国際結婚が、このコロナ禍においてはその困難さが何倍にもなっているようです。弊所としても、できる限りのサポートをさせていただきたいと思います。